酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

半助は何処にいった?

鰻を食べて、思い出したことがある。
昔々、俺が、小学校に入学する頃、家族で、デパートへ行った。
その帰りに、鰻専門店兼川魚専門店(だったと思う)で、鰻のかば焼きと、大量の鰻の頭(半助と言う)を買った記憶がある。
こんな沢山な鰻の頭をどうすんねん、と、子供心に思った事を思い出したのだ。
ところで、あの、大量の半助を、どのようにして食べたのか?
必死になって思い出さそうとしたが、なぜか記憶が曖昧。

多分、祖母が、半助と豆腐とネギを炊いた料理にしたような気がしてきた。
また、半助を、吸い物にしていたようにも思う。・・・思い違いかもしれない。
どちらにしても、とても懐かしい思い出だ。

記憶が曖昧であるということは、当時、鰻は、子供だった俺にとって、特別美味しいものではなかったのだろう。
大人になった今では、鰻が大好物なのだが。

今、スーパー、デパート等に行くと、鰻の肝串が売っている。が、半助は売っていない。
居酒屋で、鰻の肝を出すが、半助の料理を出すところは、無いと思う。

興味がわいたので、半助について調べてみた。
鰻の頭は、関東では食べないが、関西では食べるので、調理の仕方が変わるそうだ。
つまり、関東は頭を落として焼く、関西は一匹丸ごと焼いてから頭を落とす。
関西では、始末の精神からか、食材を捨てることはしない。
半助からは良い出汁が出るし、半助はコラーゲンも豊富だ。
そもそも、何故、半助と言うのか。
明治時代、1円を、円助と言ったが、当時、鰻の頭は、50銭で売られていたらしい。
だから、1円の半分、つまり、半助と呼ばれたらしい。
そして、今、半助は何処にいったのだ?!

言うたもん勝ちの、俺の、勝手な解釈を述べておく。
昔は、鰻のかば焼き等は、店に行って食べるのが主流だったが、今は、家庭でも食べる人が多くなった。スーパーに行っても、頭がついたまま、一匹丸ごと売ることが増えたため、半助が大量に出ない。また、半助が大量に出たとしても、高く売れないので、結局、市場には出ない。
だから、鰻屋で出る半助は、かば焼きのタレの出汁として使われているのではないか?
半助が手に入らない以上、あの懐かしい半助豆腐は、食べれないだろうな。
今の料理に近いのは、肉豆腐だろうか。
今日は、肉豆腐でも作るとしよう。