酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

おでん弁当とお好み焼き弁当の思い出

おでんとお好み焼きは、今では、何の迷いもなく食べているが、一時期、食べられなくなったことがあった。

おでんとお好み焼きが嫌になったのは、高校時代の弁当が原因や。当時、弁当は、基本的に、前日の残り物を入れるのが普通やった。

想像してみて欲しい。

おでんを弁当に入れたら、どういうことになるか。

当時、弁当箱が、タッパーではなく、アルミ製で、かつ、蓋(この蓋にお茶をいて飲んだなあ)に、やや隙間があり、汁がもろに外にでてしまう。
学校について、教科書を出そうと、いざ、カバンを開けてみると、カバンの中はおでんの匂いが充満していた。
教科書は、汁を吸って、倍以上の太さに膨張している。
弁当箱を開けると、汁は、すべて無くなっており、おでんの具(コンニャク、ちくわ、厚揚げ)が所狭しと、並んでいた。
そして、教科書にしみ込んだおでんの汁の匂いは、暫く消えることはなかった。
また、ある日、同じクラスに、お好み焼きを弁当に入れてきた奴がいて、ソースのいい匂いをさせて食べているのが、気になっていた。
俺は、迷わず、親に、お好み焼き弁当をお願いした。これが、あかんかった。
念願のお好み焼き弁当。弁当箱を開けてビックリした。
弁当箱の半分に白飯が、その半分に、お好み焼き、ウインナー2個が入っていた。残念なことに、お好み焼きに、ソースがかかっていなかった。ソースのかかていないお好み焼きをおかずにして、白飯を食べることはできなかった。

このような経験のおかげで、二十歳を過ぎるまで、おでんとお好み焼きを受け入れられなくなり、食べることができなくなった。
しかし、成人し、アルコールを飲みだしてからは、大好きになった。
おでんには、熱燗、お好み焼きにはピールが4番打者や。
ただ、今でも、絶対に食べないのは、おでん定食とお好み焼き定食や。
どうしても、おでんとお好み焼きをおかずに、白飯を食べることができない。
白飯が、のどを通らん、通行止め状態や。