酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

口癖

自分の価値を下げてしまう発言が口癖になっている人がいてるなあと思う。

当時、既に入社12年を超える、ベテラン社員だった彼。
毎日のように、「スランプや」と言っていた。

声をかけると、一言目は、必ず、「スランプや」と言う。

頻繁に、「スランプ」と言われていると、ふと疑問が湧いてきた。

いつ、絶好調の時があったんやろか?

いつと比べて、スランプだと言うてるんやろう?

彼は、まず、使い方を間違えているのではないか?

俺としては、「スランプ」になるのは、前に良い状態であったのに、良い状態ではなくなってしまったという状況の人なのだと思ったからだ。

さらに、当時、別の部署の課長は、課長となってからカウントすると、役職歴5年目。

初めて会った時から、「大変です、大変です」と言っていた。

最初は、一体何が起こったのか?と、大変身構えたものだ。

内容を聞くと、まったく問題のないことだった。

 

彼は、その後も、ブレなかった。

その後、何年も、一緒に働いたが、その課長が言う、「大変」の基準が分からないままだ。

今思えば、多分、彼にとっての「大変です、大変です」は、「おはようございます」、「こんにちは」、「ご機嫌いかが?」みたいなものだったのではないだろうか。

 

当時の俺からしたら、「大変です、大変です」と、こちらを構えさせるので、「お前が一番大変なんやけど」と思っていた。

さらに、同じ部署だった所長は、会議等で、自分の意見を言った後、必ず、「〇〇〇〇と、皆も言っています」と言って、締めていた。

「〇〇〇〇と、私は考えています」とか、「私は、〇〇〇〇と思います」と来ると思う。

でも、所長は、毎回、「皆も言っています」で締めてくるのだ。

時折、ナイスな意見を出すのに、口癖のせいで、最後は自分の意見ではなくなってしまって、非常にもったいなかった。

相手の口癖に反応してはいけないと思いながらも、「ところで、皆とは、誰のことかな?」と、聞きそうになったのは、1度や2度ではない。

 

俺も、口癖には、気を付けようと思った。