酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

閻魔さんに舌抜かれる

ある情報番組の、タイムリーなニュースに関して、インタビュアーが、町の人に、意見を聞くコーナーを見て、ふと、思った。当然、反対の意見もあれば、賛成の意見もある。

4人の町人の、コメントが放送されたのだが、3人は反対、一人が賛成という結果だった。

俺としては、どっちかというと、賛成かなと思っていたが、反対の意見が多いことに、少し驚いた。

 

番組では、町人の意見を受けて、スタジオのゲストやコメンテーターに、「この結果を受けて、どう思いますか?」と司会が尋ねた。

この時点では、『世間一般の人が反対しているのだな』という印象が強いから、空気を読むゲストやコメンテーターなら、反対意見に合わせた回答をする傾向が強くなる。実際、過半数が、反対意見を推す回答をしていた。

情報操作(誘導)は、やろうと思えば、案外、簡単にできてしまうんやな、と思った。今回のニュースに関しては、反対意見を推すことに、なんのメリットがあるのか、俺には分からんかったが。

 

一視聴者としては、(反対か賛成かの結果は別にして)いったい、どれだけの人数にインタビューをして、それぞれ、賛成と反対が、何人だったのかを知りたいと思った。たった4人の意見では、公平とは到底言えないと思うのだ。

まさか、本当に、4人の人だけに聞いただけ、ということはないと願いたい。少なくとも、コメンテーターやゲストに、本心での意見を言わせたいなら、反対の人の意見と、賛成の人の意見を、同程度の数を、報道した方が、よかったのではないか。

 

あと、質問の仕方によっても、回答を、ある程度、誘導することは可能だ。営業テクニックとよく似ている。

たとえば、競合他社とのコンペで、自社製品を採用してもらいたいときは、重要人物に根回しをすることがある。

 

(ある人物には)納入価は低いほうがいいですよね?

(別の人物には)どちらかというと、利便性が良い方かいいですよね?

(さらに別の人物には)〇〇のデメリットが低い方がいいですよね?

 

このように、それぞれに、相手が、イエスと答えるであろう質問して、同意を求める方法がある。

さらに、関係者の力関係や、その人物への影響度を考えた上で、「〇〇部長もおっしゃっていましたしね!」と、その人物を取り巻く環境が示す意見の方向性を、それとなく伝えるといった方法もある。

 

ただ、嘘八百は並べたらあかん。

閻魔さんに舌抜かれて、タン塩定食にされるで。