酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

玉入れはしません

久しぶりに、友人と再会した。

同じ会社に勤めており、俺より、2才年上だが、社歴は1年後輩だった。

彼は、その日、黒の帽子、黒いマスク、黒いTシャツ、黒いジーパン、黒いスニーカーを身に纏っていた。

相変わらず極端な奴やなと思ったが、幾分、痩せて見えるが、この時期、ちょっと、暑苦しい。

俺は、ファッションには疎いが、さすがに、俺でも、色は大事やと思った。

イメージがまったく変わるやん。

例えば、

・白い鳩を、黒く塗ると、カラスに見える。平和の祭典で、黒く塗った鳩を飛ばしたら地獄の祭典に早変わり。

・美味しそうな緑のスイカを黒く塗ると、ボーリングの玉にしか見えん。切って、中も黒かったら、きっと誰も食べんと思う。

・赤く茹でた高級な蟹を黒くしたら、大蜘蛛にしか見えん。一匹数万円払って食わんわな。触るのも怖いやつや。

・決定的なのは、あの、可愛い人気のあるパンダを真っ黒にしたら、ただの、顔が浮腫んだ太ったツキノワグマや。動物園で、わざわざ並んで見る人は、ほとんどいないのでは?

 

つまり、色は大事なんや!

 

彼に、「黒づくめは暑苦しいで。」と言うと、「今度会う時は、白づくめで来ますわ。」と返ってきた。

「おいおい、白づくめにしたら、小学校の運動会の、白組にしか見えんやろ。」と言うと、彼は「ほんなら、赤い帽子を被ってきて下さいよ。」と言う。

 

俺が、赤組か?

この年にもなって、お前と玉入れなんかする気はないで!

いい歳したおっさん(爺さん)二人組が、それぞれ、赤と白で決めてきたら、それは、あかんやつや!