拡大解釈おじさん
現役サラリーマン時代の、とある飲み会でのこと。
「この間の、健康診断で、再検査になった!」と大騒ぎをしていた事務職のT君が、結構なハイペースで、飲んでいた。
気になったので、T君の上司に、話を聞いてみた。
「Tくんが、なかなかの飲みっぷりやけど、あんなに飲んで、問題はないんか?」
「軽いアルコール性肝機能障害だと聞いていますので、あまり飲まない方が良いとは思います。」
「さっき見たら、ちゃんぽんで、結構な量を飲んでたで。気を付けるよう、ちょっと、言ってやったら?」
上司が、T君のところに、話をしに行った。
しばらくすると、上司が戻ってきた。
「あいつ、普通やないです。ダメです。」
「と、いうと?」
「病院で、『適正飲酒量』という、指導書をもらったらしいです。その指導書によれば、ビール中ビン1本、日本酒1合、ウィスキーダブル1杯と書いてあったらしく、その範囲で飲んでいると言うんです。」
「ビール中ビン1本、日本酒1合、ウィスキーダブル1杯を全部飲んでいいのではなくて、ビール中ビンなら1本まで、日本酒なら1合まで、ウィスキーダブルなら1杯まで、っていうヤツやろ。」
「私もそう言ったんですが、T君は、本気です。指導書には、『1日量』と書いてあったと断言していました。」
「めっちゃ、拡大解釈してるやん。」
T君よ。
事務職であるとはいえ、医療に携わる企業の社員としては、あってはいけない解釈やぞ。
信じる者は救われん時もあるんやで!