酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

どうやって頑張ったらいいのか分からなかった件

会社員時代、いろいろな部署で、所長が、部下に対して、「頑張ろう!」とか、「頑張れ!」と言っているのを、よく耳にしていた。

俺は、あるときから、「頑張れ」という言葉が、あまり意味のない言葉なのではないかと思ったため、使うのをやめた。
だから、今、俺は、誰に対しても、「頑張れ」という言葉は使わない。

俺が若いころ、当然、先輩や上司から、「頑張れ」と言われていたし、自分が、部下を持つ立場になった時に、部下にも、頑張れと言っていた時もある。
特に、意味を考えず、挨拶代わり的に使っていた。

「頑張れ」と言う方は、励ましや、モチベーションへの刺激になると思って、簡単に使っていると思う。
反対に、「頑張れ」と言われる方の本音としては、「自分なりに、すでに、頑張っているのに、これ以上どうしたらええんや?」と感じているのではないかと思う。
つまり、「頑張れ」という言葉は、使う相手によっては、逆効果になることがある、ということだ。

あるとき、使う相手によって、「頑張れ」は、相手のメンタルに、意外と大きな影響をあたえてしまう可能性があることに気付いたのだ。

基本的に、まず、皆は自分なりに頑張っているということ(もしくは、自分は頑張っているのだと思っていること)を、認めないといけない。
頑張りの度合に、個々の差はあるとしても、頑張りに、優劣はない。

だから、俺は、「頑張れ」という言葉をかける代わりに、「自分なりに、納得できる成果をだしてくれたらええよ。」と言うようになった。
部下自身が納得のいく成果と、組織が期待している成果が、近ければ、近いほど、お互いハッピーやと思うからだ。

 

ちなみに、俺が、絶対に、頑張れとわないと決めたのは、複雑骨折で、全身麻酔の手術を受けることになったときだ。
手術台に乗せられたあと、麻酔を掛けられ、意識が徐々に薄れていく中で、突然、看護師さんが、俺に、こう言った。
「頑張って下さいよ!!」

 

麻酔が完全に効いて、意識をなくす直前に、思わず、声を発した。

 

あのーっ!ちょっと待って!どう頑張ったらいいんですかーーーー!!