これぞ、ロマンやな!!
美味い豆腐に出会ったのは2度目や。
1度目は大阪のふぐ専門店で食べた、てっちりに入っていた木綿豆腐。
店の近所の豆腐屋やと聞いたが、豆腐店の名前は聞けなかった。
今回は、たまたま、湯豆腐が食べたくなり、妻に買って来てもらった木綿豆腐。
・・・これが、抜群にうまかった。
今まで食べた豆腐のなかで1番かもしれない。
甘味、うま味、食感、すべての点において、言うことない。
調べてみると、信じられないかもしれないが、あの、奈良の製造。
奈良にうまいものなし、の、奈良の製造やった!
この、見事な豆腐を作っているのは、三木食品さん。
まぼろしの大豆と言われている大鉄砲大豆(奈良の在来大豆)を使用していて、粒が極大粒。1912年以降農家で自家採種、自家消費されていたらしい。
奈良にうまいもんなしと言った志賀直哉のエッセイ『奈良』も読んでみた。
正確には「食いものはうまい物のないところだ」と表現している。
それに続く文章に、「菓子はましだ、蕨粉は喜ばれる、豆腐、がんもどきは大変評判がいい」と書かれている。
このエッセイが1938年だから、ひょっとすると志賀直哉の住む近くの「小さな豆腐屋の豆腐」が、大鉄砲を使用していたら?!それを証明できれば!
これぞ、ロマンやな!!
この大鉄砲は、少し高めに感じる人がいるかもしれないが、十分満足感が得られる。
この甘みの強い大鉄砲大豆であれば、減塩で美味いの味噌、醤油をつくるのも可能な気がする。
実現できれば、『奈良にうまいものあり』やで。