酔いどれオンジの随想録(エセー)

酔いどれオンジの随想録(エセー)

日常系の随想録です。

インフルエンザと同行飯

昔、コロナのコの字も存在しなかったころ、部下と同行(得意先へのお礼、トラブル対応等での訪問)時に昼食のため回転寿司店に入ったときのことを思い出した。

部下との同行時には、なるべく昼食は一緒にとろうと考えていた。
当然支払いは俺持ち。
店は、部下に全面任すことにしている(いわゆる、同行飯)。
日頃の部下とのコミュニケーションの補填と部下の現状把握に有効だと感じていたからだ。

彼は、良くこの回転寿司で昼食を摂っているとのことだった。
平日というのに家族づれが結構いた。
2つ前の席にも、家族連れが座っていた。
幼稚園位の男の子が、廻る寿司に顔を近づけていた。

まだ、インフルエンザが流行っていた冬の寒い時期。
勘弁してほしい。
心の中で思った。
【もしもし~!お寿司に話しかけてどうすんねん、親も注意せんかい!その皿絶対に取らんぞ!】

部下が、落ち着かない俺をみて、声をかけてきた。
「支店長、食べないんですか?」
積極的に、食べることができない理由を説明した。

「なんか、すいません。」
 「お前が謝る話やない。俺はインフルエンザに感染した事がないし、ワクチンも打った事もない、ヌードマウス状態の人間やから、ちょっと神経質やねん。」

そうこうしているうちに、今度は、寿司に顔面パンチをしている子どもの父親が、寿司に向かって、クシャミをしよった。

「支店長!今のは、まずいですねー。カエルの子はカエルですねー。」
「カエルの子はオタマジャクシや!!」